フロントサイドダブルコーク1440の平野歩夢の連続技としての難易度は?
どうも!スノボを滑れない僕です^^
前回は、平昌オリンピックで平野歩夢選手が披露した「ダブルコーク1440」の技の読み方や意味について調べました。
スノーボードで1440の読み方や意味は?どんな難易度の技なの?
スノボのダブルコーク1440はどんな意味の技?読み方や難易度は?
今回は、その平昌オリンピックの決勝で平野歩夢選手が成功させた「連続ダブルコーク1440」についてです。
素人ながらにそのスゴさを一生懸命調べてみましたので、どうぞご参考にして下さい。
スノボに詳しい人は読み飛ばして下さいね。僕自身の理解を深めるために書いた記事でもあります。
よくよく調べてみると「銀メダルすげー!」だけでは済まない驚きが有りました。
フロントサイドダブルコーク1440。1回成功させるだけでもウルトラQ並の難易度です。
しかしそれを連続で成功させるには、利き足やスピードのこともあり超がつく難易度なんです。
尚、平野歩夢選手の決勝の動画はこちらです。↓
You Tube 【NHK】平野歩夢が2大会連続銀メダル!! スノーボード男子ハーフパイプ決勝
連続ダブルコーク1440
今回の平昌オリンピックのハーフパイプ決勝で、平野歩夢選手はダブルコーク1440を連続で成功させています。
もう少し正しく書くと、フロントサイドダブルコーク1440 → キャブダブルコーク1440となります。
キャブって何?車の部品のアレ?
実は、前後の足を入れ替えた状態でエアー(ジャンプ)しているのです。
ここで平野歩夢選手が銀メダルを取った、決勝2回目のトリック(技)の構成を再確認します。↓
ストレートエア
↓
フロントサイドダブルコーク1440
↓
キャブダブルコーク1440
↓
フロントサイドダブルコーク1260
↓
バックサイドダブルコーク1260
尚、金メダルを獲得したショーンホワイト選手の技の構成はこちらです。↓
フロントサイドダブルコーク1440
↓
キャブダブルコーク1440
↓
フロントサイド540
↓
バックサイドダブルコーク1260
↓
フロントサイドダブルコーク1260
順に見ていきます。
スタンス
なにげなく見ていた、そして何気なく聞いていたテレビの解説。
調べれば調べるほど「へぇ~」って思うことが多々有りました。
その中のひとつが、ボードの立ち方「スタンス」。右足が前か左足が前か、です。
スノーボードは後ろ足で舵を取るので、一般的に利き足が後ろに来ます。
こんなことはスノーボードやっている人には常識ですが、僕は全くの無知。まずはここで「へぇ~」です。
で、何が言いたいかというと、平野歩夢選手のスタート直後、解説者が「グーフィースタンス、スタートしました」と言っています。
グーフィー?ディ○ニーキャラのあの犬??
本気でこう思いましたが、そうではなくて「グーフィースタンス」とは右足を前に出して滑るスタンスのこと。
逆の左足を前に出して滑るのは「レギュラースタンス」。金メダルのショーンホワイトは、こちらのスタンスです。
確かに平野歩夢選手は、スタート直後は右足を前に出して滑っています。
ストレートエア
1つ目のエアーは、スピン系のトリックではないストレートエアです。ストレートヘアではありません。サラサラに憧れます。
平野歩夢選手のストレートエアーって、素人目に見ても高いですよね。他の選手と比べて明らかに高い。
ただ飛ぶだけなのにどうしてこんなに違うのだろう?って調べたら、こんな記事を見つけました。
スノーボード雑誌編集長の野上大介さんのインタビューから引用します。「彼」とは平野歩夢選手のことです。
ぎりぎりの所で踏み切り、着地できる所が強さのポイント?
そうですね。
彼は本当に、ぎりぎりで踏み切るっていう動きは、待ち過ぎると、ハーフパイプの外に飛び出してしまって、僕ら、まくられると表現するんですけれども、制御不能になって、平らな所にたたきつけられたりするので、すごくリスクがあるんですよ。
なので、通常の選手心理としては、どうしても早めに踏み切ってしまう。
でも彼は、そのぎりぎりの踏み切りを習得してるので、高さも生まれる、かつぎりぎりの所に着地して、次につなげられる。
ですので、通常は減速してくんですよ、中に技も入れたりするので。
ですが、彼の場合は、着地の精度も高いので、徐々に徐々に、ヒットが増えていくたびに、高さがむしろ増してきていると。
引用元:クローズアップ現代 http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3463/1.html
つまり平野歩夢選手は、ハーフパイプの「壁」ギリギリで踏み切っているということなんですね。
そして高さがあって着地が正確なので、スピードが殺されない。
この度胸と技術、すごくないですか?一歩間違えば大怪我ですよ。
それにあの高さ、怖くないのかなと思います。僕は高所恐怖症なので到底ムリです!その前に飛べないけど。
フロントサイドダブルコーク1440
2つ目のエアーは、フロントサイドダブルコーク1440。
簡単に説明すれば「縦2回転+横4回転」のトリック。コークスクリューのように、らせん階段状に回転する感じです。
そして「フロントサイド」とは、自分の腹側へスピンすることです。その逆で背中側へスピンするのはバックサイド。
こう言われても動作が早いので、僕はふたつの違いがイマイチよく分かりませんでした。何度動画をスロー再生しても「???」でしたよ。
なので自分なりに解釈したところ、後ろ足を前に蹴り上げるのがフロントサイド。
反対に、後ろ足を後方に蹴り上げるのがバックサイドになります。合ってますよね?
つまりこの2つ目のエアーでは、右足前のグーフィースタンスでジャンプします。後ろ足である左足を前方に蹴り上げていますよね。
そして着地すると左足が前のレギュラースタンスに変わります。
フロントサイドダブルコーク1440は、着地すると必ず前後の足が入れ替わるそうです。
すみません、この理由を調べきれませんでした。
普通に考えたら1440°は4回転なので、そのまま同じ方向で着地すると思うのですが・・・。数え方が違うのでしょうか?
どなたか詳しい人、教えてください!
ともあれ2本目のエアー後は、平野歩夢選手はレギュラースタンスに変わっています。
キャブダブルコーク1440
3本目のエアーはキャブダブルコーク1440。
通常スタンスから足を前後に入れ替えた状態のことをスイッチと呼びます。つまり平野歩夢選手なら左足が前の状態です。
そしてスイッチの状態で、フロントサイドに回転することをキャブと言います。
動画を見て下さい。
先程の2本目のフロントサイドダブルコーク1440着地後にスイッチしています。
そして解説者が3本目を飛ぶ瞬間に「キャブで!」と叫んでいるのは、このことを指しているのです。
実際に後ろ足である右足を前に蹴り出していますので、フロントサイドになります。なので「キャブ」ですね。
つまり3本目のエアーも、2本目と同じフロントサイドダブルコーク1440なのです。
ニュースなどでは「連続ダブルコーク1440」とだけ書いてありますが、これは間違えではありません。しかし厳密に言えば、足をスイッチしてキャブでジャンプしているのです。
(2つ目)フロントサイドダブルコーク1440
↓
(3つ目)スイッチしてフロントサイドダブルコーク1440
が正しい書き方となります。
これって一見簡単そうに聞こえますが、利き足を逆にして高難易度な技をジャンプするのですよ?しかも連続で。
スノボやる人なら分かってもらえると思いますが、スイッチスタンスってやりにくいのです!慣れていないとリフトの乗り降りだけでも苦労します。
僕なんか階段を登る時、利き足と違う足から登り始めるともう違和感でいっぱいです(笑)。
また始めのストレートエアでも書きましたが、平野歩夢選手はジャンプの高さも高く、着地もうまいのでスピードが落ちません。
逆にスピードを落としてしまったら、連続でダブルコーク1440は飛べないのです。
まとめ
どうです?
いかにこの連続でフロントサイドダブルコーク1440を決めるのが難しいのかが、少しは伝わったでしょうか?
もちろんダブルコーク1440自体が高難易度な技です。
しかしそれにジャンプの高さ、着地のうまさ、スイッチスタンスの克服など、あらゆる面をクリアーできないと、連続ダブルコーク1440は実現しないのです。
しかも平野歩夢選手、この後に続けて
(4つ目)フロントサイドダブルコーク1260
↓
(5つ目)バックサイドダブルコーク1260
と飛んでいます。
スピードが全く落ちていないからこそ、一気に「4回転 → 4回転 → 3回転半 → 3回転半」とジャンプできるのです。
ちなみに5つ目のバックサイドダブルコーク1260は、着地する際に地面が見えないためこれまた難易度の高い技。
実際、平野選手は何度も練習を重ねてきた技です。
対してショーンホワイト選手は、3つ目に「フロントサイド540」を入れてスピードを回復させてます。
初めに書いた2人の技の構成をよくよく見比べてみたら、平野歩夢選手とショーンホワイト選手は出している技は同じなのです。
しかし出している技の順番が違う。
平野歩夢選手はスピードが落ちないので、一気に2つ目~5つ目まで大技でジャンプします。しかしショーンホワイト選手は、3つ目でスピードを回復させないと4つ目以降が飛べないということです。
【平野】
ストレートエアーから、1440-1440-1260-1260
【ホワイト】
1440-1440 540を挟んで 1260-1260
やはりすごいですよね?というか、すごいという言葉しか出てきません。
僕も素人ながらに、平野歩夢選手の神業の片鱗に触れた気がしました。本当に彼はすごいと思いますよ。
※記事中に明らかに不適切な表現がありましたら、コメント欄よりご指摘頂けたら幸いです。
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