キラウエア火山のマグマの温度はどれぐらい?溶岩は何度なのか調べてみた
さて、ハワイのキラウエア火山ですが、なかなか終息する気配がないですね。ちょっと心配です…。
※この記事は、2018年5月に書いたものです。
ところでキラウエア火山と言えば、あのドロッとした溶岩(マグマ)が特徴的です。
あのマグマ(溶岩)って、一体どれぐらいの温度なんでしょう?
僕なんか「すぐ近くで見れるから、実はそんなに熱くないのでは?」って思っちゃいますけど、実際は何度ぐらいなんでしょう?
気になったので、チョイと調べてみました。
答えを先に言っちゃいますと・・・
キラウエア火山のマグマ(溶岩)の温度は、約1,200度です。
と言われても、これがマグマの温度として高いのかどうなのか分かりませんよね…。
まあ、熱いってことだけは理解できますけど。
もう少し詳しく調べました。
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マグマは地中にあり溶岩はマグマが地表に出てきたもの
ところで、マグマと溶岩ってどう違うの?って疑問になりました。
まずは、ここから調べてみます。
マグマとは、地球内部(地下)にあるドロドロした超高温なヤツ。(液体)
そのマグマが、地表に出てきたものが溶岩です。(液体か固体)
つまりマグマと溶岩の違いとは、地中にあるのか?地表に出て来たのか?の違いですね。
で、地球の中心付近にあるマグマの温度は、約6,000度と言われています。
これは、太陽の表面温度と同じぐらいですね。
そしてマグマが地表に噴き出す頃には、約1,000℃前後まで温度が冷えます。
僕が今回気になったのは、テレビで見た地表をゆっくり流れる「溶岩」のほう。
こちらについて調べました。
※ここではメンドクサイので、マグマも溶岩も同一として書きます。
キラウエア火山のマグマ(溶岩)の温度は約1200℃
一般的に溶岩の温度は、900度~1,100度と言われています。
温度に幅があるのは、それぞれの溶岩の元になっている岩石の(成分の)種類に違いがあるからです。
岩石と言っても種類は様々で、1,000度以下で溶けてしまうものや、ハワイのキラウエア火山の様に約1,200度近くで溶ける岩石もあります。
中には600~800度と言った低温の溶岩や、1,500度近くまで溶けない岩石もありますよ。
今回のキラウエア火山は、玄武岩と言われる石の種類です。
・・・という訳で
「ハワイのキラウエア火山の溶岩の温度は、約1,200度」
が今回の答えになりますね。
キラウエア火山のマグマは粘り気が低いので流れやすい
キラウエア火山のマグマ(溶岩)の温度は、だいたい分かりました。
でもやはり気になるのが、あのゆっくり流れるマグマです。
日本人からすると、マグマとはドッカーンと爆発して噴き出すイメージ。
キラウエア火山のように、マグマの近くまで行くってちょっと信じられませんよね。
と言うわけで、「なぜキラウエア火山のマグマは、あんなにもゆっくりと流れるのか?」についても調べてみました。
答えを簡単に言うと…
キラウエア火山のマグマの成分は玄武岩と説明しましたが、この玄武岩からできるマグマは、粘り気が少ない(弱い)のが特徴だからです。
もう少し言うと、玄武岩には二酸化ケイ素が含まれる量が少ないため、粘度が低いマグマとなります。
先ほどのマグマ(溶岩)の温度と同じく、元になっている岩石の種類の成分の違いが、粘度の違いになっているわけですね。
「え?キラウエア火山のマグマって、粘り気が少ないの?」
って思ったかもしれませんが、そうなんです。
粘り気が少ないので、ドロドロとゆっくり流れて行くのです。
🔥現在噴火中のハワイ島キラウエア火山。溶岩が車を飲み込む瞬間🔥🚘🔥
pic.twitter.com/SsxyRRpO7k— セキ ヤスヒサ🌗 (@Campaign_Otaku) May 8, 2018
反対に粘り気が強いマグマと言えば、日本の昭和新山があります。
昭和新山のマグマは、主にデイサイトと言う岩からできていますが、粘り気が強いマグマのため流れ出ることはなく、ゴツゴツとした釣り鐘みたいな形の山を形成します。
昭和新山 壮瞥町 #イブリ胆振 火山地
1944年有珠山の噴火により畑作地が次第に隆起 高さ400mほどの溶岩ドーム形成
有珠山噴火は数十年間隔で発生 溶岩ドームを残す 周辺には断層も確認
周辺農民の困窮を見かねた人物が山を買い取り現在は私有地
暴れ山の痕跡を残す 溶岩ドームはまたいつどこで pic.twitter.com/ELt6ci5634
— Syowa助六 (@horehoree34) November 8, 2020
↑昭和新山です。マグマの粘り気が強いため、写真のような溶岩ドームと言う丘状に盛り上がった小山を形成します。
昭和新山のように粘り気が強いマグマだと、山はそびえ立つような形になり、キラウエア火山のような粘り気の弱いマグマだと、標高が低く裾野(すその)が広いなだらかな形になります。
そして、粘り気が強くも弱くもない中間ぐらいなマグマだと、富士山のようなきれいな形の山になると言われています。
同じマグマでもその岩の成分が違うと、温度の他にもできる山の形まで違って来るんですね。
キラウエア山頂の地形がこんなに変わった。HVOの建物がまだあるのが不思議なくらい。USGS pic.twitter.com/qM0jFSGzvN
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) August 3, 2018
↑「山頂」というイメージが全然しません。広い丘って感じですね。
マグマの粘り気が弱いので、上に盛り上がらないのです。
【結論】2020年現在のキラウエア火山は、マグマの流出はなくオーシャンエントリーも見られない
こんな粘度の低いドロドロとしたマグマが特徴のキラウエア火山ですが、2018年の噴火以降はマグマの流出が停止しています。
つまり、2020年現在もキラウエア火山に行っても、あのマグマがゆっくりと流れる様子を見ることはできないわけです。
当然、海に溶岩が流れる「オーシャンエントリー」も見られません。
ちょっと残念のような気もしますが、噴火の影響により現地の人に被害が出ましたので、マグマの流出が収まったことは喜ぶべきでしょう。
(観光客が減ったというダメージはあるようですが…)
また、現在のキラウエア火山は噴煙がないため、景色がとてもきれいに見られるというメリットもあります。
キラウエア火山(ハワイ島)へのツアーはすでに再開されていますので、この機会に観光へ行くのもいいですね。
1983年以降、ほぼ連続で噴火しているキラウエア火山。
さて次は、いつあのドロドロとしたマグマが流れ出るのでしょうか?
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