車が水没してもエンジンはかかる?修理が不可能で廃車になるの?

2018年7月7日

先程、仕事で岐阜県に行ってきましたけど、すごい雨で高速道路も国道などの幹線道路も通行止めでした。

もうガケ崩れもしてるし、河川は今にも氾濫しそうで怖かったです。

こんな日に仕事なんかするもんじゃないですね・・・。

 

と、家に帰ってテレビを見ていたら、岡山や広島・京都あたりはもっと被害が酷いことを知って驚きました。

その映像を見て、ふと思い出したんですよ。

2000年に起きた東海豪雨。

 

あの時、かなりの台数の車が水没したのを覚えています。

僕は大丈夫でしたが、友達の車がマフラーまで浸水しました。

なんとか大丈夫でしたけど。

 

今回はこのような集中豪雨によって・・・・

 

水没した車は大丈夫なのか?

どこまでの浸水なら修理ができるのか?

 

という疑問について調べてみました。

テレビを観ると、もう屋根の上まで浸かって流されている車もあります。

人も心配ですけど、やはり愛着ある車なら再び乗れるのか気になります。

 

詳しく書きますね。

 

先に答えをまとめておきますと・・・

・室内やマフラーが水没しない程度の深さなら大丈夫

・マフラーがギリギリ水没する程度なら大丈夫かも?

・ボンネットぐらいまでの水没は、ほぼ廃車になります

 

エンジンがかからないと廃車なの?

先にこちらの内容から書きますね。

車種や水没の状況により、故障の症状や修理の対処法は違ってきます。

一般的な車の構造からお話しますね。

 

走行中にマフラーだけ水没してエンストした場合は?

走行中に水没によりエンジンが停止してしまった場合は、車のどの辺りまで水没したのか?によります。

 

まず、マフラーがギリギリ浸かるぐらいの深さで、マフラーから水は入ったがエンジンは水没していない場合。

この場合は、排気ガスがマフラーから出て行かなくなったことが原因で、エンストしてしまったと思われます。

 

エンジンってガソリンや軽油を燃やしますので、必ず排気ガスが出ます。

でもそのマフラーが水で塞がれてしまったら、排気ガスを外へ逃がすことができなくなりエンジンは停止してしまいます。

 

例えが下手ですが、自転車の空気入れ。

タイヤに空気がどんどん入っていく内は、ポンプはスムーズに上下します。

しかしタイヤの空気圧が一杯になってしまったら、空気の逃げ場がないのでポンプは上下できません。

エンジンもシリンダーが上下にピストン運動していますので、排気ガスが逃げずにそこで溜まってしまえば、ポンプと同じように停止してしまうのです。

 

もう少し言うと、マフラーには触媒という有害物質を取り除く装置があります。

この触媒が水を吸ってしまうんですね。

なのでここを乾かせば、問題なくエンジンがかかる場合が多いです。

もしくはエンジンがかかれば、走行中の排気の熱で乾いてしまいます。

 

初めに少しお話しした僕の友達の車。

マフラーが水没してエンストしましたが、すぐにキーを回したらエンジンがかかりました。

そうしたら、マフラーからゴボゴボと水が出てきたのです。

その後、数年間は故障もなく乗っていたので、水没によるダメージはなかったと考えていいですね。

運が良かったのかもしれませんが。

 

このようにマフラーからだけの浸水なら、エンジンが再始動できれば廃車にまでなるケースはほとんどないようです。

修理も必要なく、「様子見」でいいのではないでしょか?

でも一度は、車屋さんに診てもらうことをおすすめしますよ。

若干ですが、意図せずエンジンを急停止させてしまったので、見えないダメージがあるかもしれません。

 

ちなみにスピードを出して走っているうちは、排気ガスも勢いよく出るので水が入って来にくくなります。

しかし赤信号などで停止したとたんに、排気ガスの勢いがなくなりマフラーから浸水ってことも・・・。

 

では豪雨の際は、スピードを出して走ったほうがいいのか?と言えば、それはもちろん間違えですね。

余計な水しぶきにより車全体に水が掛かかり、完全な水没状態と同じになります。(詳しくは後述します)

それにそもそも危ないですからね。

 

走行中にエンジンまで水没してエンストした場合は?

先に言っておきます。

残念ですが、走行中にボンネットまで水没してしまいエンストした場合は、エンジンが故障している可能性が大です。

 

これまたエンジンの構造のお話になりますが、エンジンってガソリンや軽油をシリンダー内で空気と混ぜて圧縮しています。

ぎゅ~っと押しつぶして爆発させ、その力で車が動いています。

 

でもこのシリンダーの中に水が入ってしまったら、一体どうなるでしょう?

水ってほとんど圧縮できませんよね?

 

例えば水の入った注射器の針先を何かで塞ぎます。

この状態でポンプを力いっぱいに押しても、水は圧縮されないのでポンプは動きません。

 

走行中のエンジンは、高回転で動いています。

ピストンが上下に高速で動いているのです。

 

そこに突然水が入ってきたらどうなるでしょう?

 

ピストンは水を圧縮できませんので、その瞬間シリンダーが折れたり曲がったりして壊れます。

(ピストン=シリンダーと思って結構です)

 

もうこうなったら、エンジンを載せ替えるなどの修理が必要となります。

ウン十万円コース確定です。

こうなれば廃車して買い替えたほうが・・・と思うのが普通ですよね。

 

またもう少し詳しく言うと、シリンダー内に水が入る経路はエアクリーナーからです。

燃料と一緒に燃やすための、新鮮な空気の取り込み口のことですね。

 

これはボンネットを開けてみれば分かりますが、比較的上の方に付いているのが一般的です。

つまりマフラーぐらいの高さの水没なら、このエアクリーナーまで水没することはまずあり得ませんので大丈夫です。

しかしボンネットまですっぽりと水没してしまったら、ほぼアウトでしょう。

車種にもよりますが、ヘッドライトの高さぐらいがひとつの目安でしょうか。

 

駐車中の水没なら大丈夫?

走行中に突然水が入るから、シリンダーが故障するんだ。

じゃあ、エンジンがかかっていない状態、駐車中の水没なら大丈夫なのでは?

 

そうも思えますよね。

確かにエンジンが動いていない状態での水没は、エンジンはかけずにそのまま車屋さんに診てもらったほうが重症化させずに良い場合もあります。

エンジン(セル)動かしてしまったら、先程の症状になってしまう恐れがありますので。

 

しかし、例えエンジンが故障せずに動いても安心はできません。

それは電装系も水没しているからです。

 

電装系が水没したら?

実はマフラーやエンジンと同じぐらい、水没でダメージを食らう部分があります。

それは電装系です。

 

車に電気は必要不可欠です。

現在の車は、すべてコンピューター制御されています。

もう車体じゅうのアチコチに、電気配線が張り巡らされています。

 

床下、天井裏、ボンネット内、トランクルーム内・・・。

これらが水没すると、ショートや誤作動を起こし最悪故障します。

また水が引いた後でも、配線の接続部分がサビたり腐食したりもします。

 

床下って書きましたけど、シートやマットの下のことです。

足元の下にも配線が走ってるし、ヒューズボックスなんか比較的低い位置に設置してある車種が多いです。

つまり少しでも車内への浸水したら、電装系へのダメージを考えなければいけません。

 

車は鉄と電気のカタマリなので、水は天敵なんですね。

 

車の水没はどこまで修理可能?

現在の技術なら、どこまでも修理は可能です。

エンジンも載せ替えられるし、電装系を引き直すこともできます。

 

ただこの場合の修理代は、かなり高額になるでしょう。

廃車にするかどうかは、お財布次第です。

 

現実的に考えてみます。

 

エンジンが水没した場合は、当然車内も水没しています。

となると、電装系も丸々ダメですね。

例えエンジンを修理しても、後々サビや腐食による電装系のトラブルが出てくる可能性があります。

 

また仮に電装系も大丈夫そうでも、一度車内が水没した車ってドブ臭くなります。

よく考えてみたらそうですよね・・・真水じゃないですから。

しかも洗えないので、自然乾燥だし・・・。

 

こう考えると、エンジンまで水没してしまったら、廃車にして買い替えるのが現実的ですね。

 

次にマフラーだけ水没してしまった場合。

これはすでに書きましたが、エンジンがかかるのなら様子見で良さそうです。

しかし、早めに車屋さんに一度診てもらったほうが安心ですよね。

 

ただ、車内にまで浸水してしまった場合は、電装系が心配です。

本当に足元だけのちょっとした浸水なら、しっかり乾かせばそのまま乗れるかもしれません。

ただシートの高さぐらいまで浸かると、結構ヤバイですよね・・・。

コンピューターやヒューズボックスが、水没している可能性もあります。

乾いても悪臭もするし。

 

まとめ

というわけで、まとめます。

車種や状況により違いがありますが、ボンネットまで(車内ならダッシュボードの高さぐらいまで)水没したら、もう廃車と考えていいでしょう。

水没車を修理して乗り続けるのには、かなりのリスクが伴います。

 

マフラーに水が入らないぐらいの深さなら、気にすることはありません。

でもマフラーって意外と低い位置にありますよね?

 

またタイヤ半分ぐらいの水没は、もうこの高さなら車内に浸水してきてもおかしくはない深さです。

マフラーも水没してますね。

 

ちなみに車両保険に加入していれば、豪雨による災害なので保険で対応できると思います。

一度、事前に確認確認してみて下さいね。

 

追伸

高架の下など「すり鉢状」になっている道路は、大雨の際はとても危険です。

見た目よりも思ったより深く、勢いをつけて走行しても渡りきれません。

水の抵抗はすごいですからね。

僕の家の近所でも、プカプカ浮いている車を見たことあります。

 

・・・ほ~ら言わんこっちゃない。