ハンス王子は悪者?アナを裏切った理由を考察してみた

アナと雪の女王は、ディズニーが生み出した記憶に残るヒット作品です。

もう観られましたか?

この物語には裏切る王子、「ハンス」という人物が登場します。

ヨーロッパの貴族を彷彿とさせる外見、信頼感を与える声を持ち「王子様」と呼ぶに相応しいハンス。

彼に対しては支持する人もいれば、許せないと思う人もいるでしょう。

アナ雪の中核をなすテーマは「愛の真実」です。

この記事では、映画でハンスが見せる裏切りの行動、彼が根本的に悪なのかどうかを探りたいと思います。

 

ハンスが初めから悪だったとは思えない

アレンデールの城でアナに出会い、急速に仲良くなり、すぐに婚約することになったハンス。

アナとハンスの婚約は軽率だとも言えますが、情熱がなければ婚約や結婚は成立しません。

共通の好きなもの「サンドイッチ」が、毎日一緒に食事をする二人にとって、結婚における大きなプラスポイントになります。

 

エルサの魔法が強くなり、アレンデールの城と街は雪と氷に覆われてしまいました。

エルサは自分の力に戸惑い、アナやクリストフ、オラフも、吹雪の中で何をすべきかわからない状態です。

城に残ったハンスは、アレンデールの人々に救援物資を配布したり、アナに代わって凍てつく王国を救うために奮闘しました。

魔法による吹雪やマシュマロウの攻撃(または防御)がなかったら、ハンスとアナ王女は、典型的なディズニー映画のように「幸せに城で暮らした」で終わっていたかもしれません。

 

エルサを「氷の世界に変えた罪で牢に閉じ込めたハンス。

エルサの処刑を宣言し、アナの愛のキスを拒否したハンス。

アナとエルサがいなくなれば、アレンデールを独り占めできると考えたのでしょうか。

物語の中で最初は善人と思われたハンスも、氷と雪で心が冷え切ったのか、「ただの王様になりたい」という願望でまったく異なる態度を示します。

果たしてハンスは最初から悪だったのか…?

映画を見ていても、私はそうは思えません。

 

誰もが苦しい時、悪者になる可能性を秘めています…これがアナ雪に描かれている人間の脆弱性です。

トロールの歌「愛さえあれば」には「完璧な人はいない」というメッセージが込められています。

ハンスが見せた弱さは、映画の終わりに人間性のリアリティを添えています。

少し臭いですが心優しい良い男、「クリストフ」(氷職人)と裏切り王子「ハンス」の存在は、アナ雪に深みを与えています。

アナ雪の大ヒットは、悪役「ハンス」の功績によるものも大きいでしょう。

 

他の人物の性格や感情を映し出すの役割

王子ハンスは物語を通じて他の登場人物の性格や感情を映し出す「鏡」のような役割を果たしています。

アナが「扉を開けて」という歌の中でサンドイッチの好みを表現すると、「私もそうだ」とハンスは答えます。

アナがエルサとの姉妹としての絆を悲しむ時、「私も兄弟から無視されていた」とハンスは共感を示します。

アレンデールの公爵や市民に対しても、ハンスは相手の特徴を反映するかのようにふるまいます。

アナ、エルサ、そしてハンスの間の関係性をハンスを「鏡」として捉えることで、アナ雪が伝える深いメッセージが見えてきます。

 

再視聴する際には、ハンスを「鏡」として観察しながら、アナやエルサの行動や言葉に注意を払ってみることを推奨します。

この物語は、「自己反映」というプロセスが登場人物だけでなく、私たち自身の日常においても行われていることを示唆しています。

アナとエルサが、現代の通信手段を駆使してコミュニケーションを取る場面では、お互いを傷つけることなく理解し合えたら、どんなに良いかと考えさせられます。

 

ディズニーパークでの「鏡」の使用例としては、ディズニーシーのハーバーショー「ファンタズミック!」に登場する魔法の鏡があり、ミッキーが自らの悪夢と向き合うシーンが描かれています。

ディズニーランドの「アナとエルサのフローズンファンタジー」では、パレードのクライマックスに登場するマシュマロウとハンスのフロートが人気で、ハンスが氷の檻に閉じ込められている様子を見ることができます。

寒い季節にディズニーランドで、ハンスに会えるのも特別な体験です。

 

ハンスは本当に落ちていた可能性もある

物語の序盤で、善人のように振る舞ったハンス。

彼がアナにプロポーズしたのは、彼が王位に就くための策略の一つでした。

13人の兄弟の中で最年少である彼には、自国での王位獲得の可能性がほとんどなく、王女との結婚が王国を手に入れるための唯一の手段であったのです。

そのため彼のアナへのプロポーズは、真実の愛からではなく、彼の目的を達成するための手段でしかありませんでした。

エルサに立ち向かう理由も、アレンデールを掌握するためにはエルサが障害であったからです。

 

ハンスが突如として悪者に変貌したのは、物語に驚きをもたらすためだった可能性があります。

当初はハンスとアナのロマンスを思わせつつ、後の展開で観客を驚かせる効果がありました。

ハンスは本当にアナを愛していたのでしょうか?

彼はアナにプロポーズした時点で、真に愛していたかもしれません。

少なくとも、エルサに対する婚約を宣言する瞬間までは、彼らが恋に落ちていたと見ることができます。

 

では、ハンスの恋愛は虚構であったのでしょうか?

ハンスがアレンデールに到着した際、彼が持っていた「結婚を通じて王になる」という目標は確かに計算高いものでした。

彼は王位継承の順位が低く、王になるための教育を受ける機会もなかったかもしれませんが、王族としての野心を抱いていたことは確かです。

アレンデールが小さな国であっても、貿易相手国としての価値は十分に認識していたはず。

 

特に戴冠式の時期は、国王と王妃を失った後の状況であり、成人した長女が王位を継ぐという特殊な状況でした。

王位継承者が独身の成人女性とその妹のみであることは、ハンスにとって明らかなチャンスです。

ハンスがエルサではなくアナと急いで婚約したのは、彼の計画に反しているように見えるかもしれません。

エルサと結婚すれば即座に王になれたため、戦略的にはアナとの婚約は不利に思えるかもしれません。

しかし、もし彼が真の策略家であれば、エルサへの印象を良くするためにアナと親しくなることに留め、恋愛関係に発展させる可能性を残すのが賢明でした。

 

また、大国の王子として、アレンデールの小さな国の新女王にとって、ハンスは魅力的な婿候補だったため、アナとの婚約には本来必要性がありませんでした。

それにもかかわらず、ハンスがアナに即座にプロポーズしたのは、恋愛感情に基づいていたと見ることができます。

少なくとも、彼らが婚約を公表する時点で、本当に恋に落ちていた可能性があります。

ハンスが悪人であったかどうかは、視点によって異なります。

エルサとアナにとっては確かに敵でありますが、ハンス自身には彼なりの理由や動機があったのかもしれません。




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Posted by ちたま