スピードスケートの速さは時速何キロ?最高速度を計算して調べてみた!
スピードスケート女子団体追い抜き(パシュート)で、日本が金メダルを獲得しました!
高木美帆選手・高木菜那選手、それに佐藤綾乃選手おめでとうございます。
しかもオリンピック新記録^^
ところでスピードスケートって、どれぐらいの速さで滑っているのでしょうか?
F1と同じく、テレビで観ているとそんなに早そうには見えません。
しかし真横からの固定カメラの映像だと、結構スピード出ていますよね?
気になったので調べてみました。
【先に結論】
スピードスケートの平均速度は、およそ時速50km/h。
最高速度は、約60km/hの速さで滑っています。
スピードスケートの平均速度は時速50㎞/h
せっかくなので、自分でスピードスケートの速さを求めてみましょう。
これは、小学生の算数の「時間」の問題ですね。
小平 奈緒選手が金メダルを取った、スピードスケート500mを例にしてみます。
タイムは、オリンピック新記録の36秒94でしたね。
計算がややこしくなるので37秒にします。
速さを求める式は「道のり÷時間」です。
道のりの500mを、37秒という時間で割れば速さが出ます。
しかし、このままですと秒速です。
時速で求めたいので、mをkmに、秒を時間に、単位を揃えます。
500mをkmに変換すると0.5kmですね。これは簡単です。
で、37秒を時間に変換する場合は3,600で割ります。
これを計算すると、0.0102777778。
ややこしいので、略して0.01とします。
よって、37秒は約0.01時間になります。
本当は、36秒が ちょうど0.01時間なんですけどね。
で、これを道のり ÷ 時間に当てはめると・・・
0.5÷0.01=50
答えは、時速50km/hになります。
スピードスケートの最高速度は約60km/h
あれ?
冒頭では、およそ60km/hで滑っているって書いたのに、50km/hになりました。
そうです、50km/hは平均の速さですね。
でも僕が知りたいのは、スピードスケートの平均の速さではなくて最高速度。
考えてみれば、スタートからトップスピードに乗るまではしばらく時間がかかりますよね。
その間のスピードは、50km/hよりもっと遅いはず。
この部分を勘案して、計算し直してみます。
スピードスケートは、スタートから約100mでトップスピードになると言われています。
とは言っても、100mまでどれぐらいのスピードで滑っているのかは、スピードガンでも使わない限り分かりません。
また、段々と加速して行くので速度も一定ではありません。
ここで、参考になりそうな記事を見つけました。
スケート選手と100メートルの陸上選手を競わせたらどうなるか。信州大の結城匡啓教授(運動科学)の面白いデータがある。スケート選手は、20メートルまでの差(0秒24)が響き、遅れるが、40メートル以降、陸上選手の速度を上回り、60メートルで0秒14差に縮める。80メートルで並走し、その後追い抜くという。
これは、長野五輪金メダリストの清水宏保の100メートルラップタイム(9秒54)と1991年の東京世界陸上で当時の世界記録を出したカール・ルイス(9秒86)のデータを比較したものだ。
引用元:読売オンライン http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2010/feature/kagaku/ka20100215_01.htm
スケート選手と陸上選手を100mダッシュで競わせたら、一体どちらが速いのか?というデータについての記事です。
僕は、スケートのスタートってツルツル滑ってなかなか進まないイメージがありますので、陸上選手の方が速いって思いました。
でも実際は、スケート選手の方が速いんですね!
スケート選手はスタートこそダッシュが付きませんが、わずか40mの地点で速度は陸上選手を上回っています。
スケートは摩擦がほぼゼロなため、一旦スピードが出るとどんどん加速して行くということが分かります。
こちらの記事のデータから、スケート選手は初めの100mを約9.6秒で走るとします。
そしてこれを小平奈緒選手に当てはめて、再度速度を計算してみましょう。
500mを37秒ということは、スタート~100mを過ぎて、残りの400mを27.4秒で滑ることになります。
これが、時速何キロかを計算します。
0.4km ÷ 0.0076時間 = 時速52.6km/h
時速52.6km/h…?
あれ?計算が合いません。
60km/hになりませんね…。
実は、小平奈緒選手は500mを36.94秒でゴールしましたが、同じく男子の金メダリストは34.41秒でゴールしています。
タイムに2.5秒も差があるのですね。
で、この男子のタイムを使って同じように計算していくと、400mを24.81秒で滑る計算ですので速さは約58km/hになります。
この約58km/hとは100m~ゴールまでの平均の速さですが、スピードスケートはカーブがあるためそこで若干減速します。
となると、スピードスケートの最高速度は約60km/hというのも、おおよそ計算が合うことになりますね。
ちなみに時速60km/hと言えば、競馬でサラブレッドが走るスピードとほぼ同じです。
競馬では、1,000mを60秒が平均ペースですから。
キエルド・ナウシュが最高時速93km/hを達成
最後に、こんな写真を見つけましたので紹介します。
画像引用元:Red bull https://www.redbull.com/jp-ja/kjeld-nuis-breaks-speed-skate-record
滑っているのは、オランダ人の金メダリスト、キエルド・ナウシュ選手です。
何をしているかというと、車で”風よけ”のシールドを引っ張ってもらい、その後ろを(自力で)滑っているんですね。
※車で体を引っ張ってもらっているわけではありません。
で、この時出た最高速度がナント時速93km/h!
空港の滑走路を滑っているので、氷の状態は手入れされたリンクよりも良くはありません。
それなのにも関わらず、オリンピックの最高速度の約1.5倍の速度も出ています。ヤバイ!
時速93km/hって言ったら、そのまま高速道路走れるスピードですからね。
人間って、ここまで速く走れる(滑る)ことができることが証明されました。
また、スピードスケートは地面との摩擦はほぼ0ですが、いかに空気抵抗が加速の邪魔をしているかも分かりますね。
だからスピードスケートの選手は姿勢を低くし、前の選手の後ろを走り、ユニフォームもなるべく空気抵抗のないデザインになっているわけです。
僕は空気抵抗って、正直そこまで重要とは思いませんでしたが、このキエルド・ナウシュ選手の挑戦からその重要さが分かりました。
確かに走行中の車から手を出すと、かなりの風圧が来ますからね。
それにしても、この風よけを引っ張ている車のドライバーも、路面がツルツルなのにすごい運転技術だと思います。
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